
東京一帯にも大雪が降ると天気予報が報じていた夜。約200人の見学者で一杯になったリクルートの大会議室で、「1-click Award 2010 公開最終審査会」は開催されました。応募者本人によるプレゼンを踏まえた公開審査となりましたが、4名の審査員の方々が、それぞれのオフィスで打ち合わせている時と変わらない真剣さで、白熱の議論を展開してくださいました。以下、各賞の発表と併せて、その一端をご紹介します。
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- 乾杯列島日本!
嶋野裕介 - ●企画はとても良いと思いますが、プレゼンを聴けば聴くほど、ご本人には必要のないアプリなのではないかと感じました。お話し、上手ですからねえ。(加藤さん) ●共通項だけを抽出するというところがとてもいい。でも、つっこみどころは多いですね。まだまだ伸びしろのあるアイデアだと思います。(内山さん) ●何しろ「ビールは最強のメディア」というのが私の持論ですから、この企画は最高です! ソリューションもきちんとできていました。(嶋さん) ●既にあってもいいのでは?と思うくらい、リアリティのあるアイデアだと思います。ただし、機能をもう少し絞ったほうがいいと思います。共通項を取り出す機能だけで十分で、相互フォロー機能は要らないと思います。それから、プレゼンとしては「共通項がまったく出てこない時にも救われる機能」が最後に提案されていると、救いもあってよりチャーミングになったと思います。(岸さん)
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- おきてがみんぐ。~バーチャル置き手紙~
マヨ(伊藤春香/黒肥地俊介/馬場俊輔/林寛之/保田容之介/山田浩司/米本秀高) - ●この企画は、このツールを使っていろんなことができるのがいいところ。それを具体的に説明してくれた点、GOOD!(嶋さん) ●GPS機能をとても上手に使った企画でした。「自由に使える」ことを強くアピールしてくれたら、さらに良かったと思います。(加藤さん) ●一定の水準に達しているという前提で言うと、置き手紙のメタファーを重視するなら、「IN機能」だけで十分だったと思います。それから、直接メールが届くのではなく、「あなたに置き手紙があります」という告知がワンクッションあり、そこから置き手紙メールの内容を見せたほうが、置き手紙のドキドキ感が再現されていていいと思いました。最後、ユーザーの気持ちが動く瞬間のシーンをより具体的に想像できていなかったのが残念でした。(岸さん) ●着眼点はとてもいいですが、プレゼンの具体例の出来が少し甘い。企画書のディテールを作り込んでいくべきですね。(内山さん)
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- おえかきえほん
中井宏彰 - ●本質的なことだけをきちんと突き詰めていて、大変良いプレゼンだったと思います。(内山さん) ●インサイトがシンプルでGOOD! 本当に優れたアイデアは「そんなこと、当たり前だよね」と感じるものが多いのですが、その良い証拠となる企画だと思います。(嶋さん) ●決して悪い企画とは思いませんが、個人的には、子供はスケッチブックで描くよりもこちらのほうが面白いの?という疑問がありました。(加藤さん) ●それほど飛躍的なアイデアではないですが、プレゼンはパーフェクトでした。本当に筋が通っていて、企画のブレが一切ない。親子のコミュニケーションに絞ったという引き算の勇気もすばらしいと思います。私も加藤さんと同じように、はじめはスケッチブックで描くこととの差異が気になったのですが、描いたものをデータとして保存できるところにiPadアプリである意味は十分あると今は考えています。(岸さん)

- Google Realtime Surf
中川諒 - ●切り口はいいと思います。くだらないけど、面白い。ただ、それで誰がどのようにハッピーになるのかを具体的に考えられていなかった点が惜しいですね。(岸さん) ●ゲームや映像は要らない。体感型に絞るべき。削ることでアイデアがよくなる典型だと思います。(内山さん) ●体感するというアイデアをもっと磨けばよくなる企画。バカバカしさは魅力です。(嶋さん) ●僕は広告の人じゃないからかもしれませんが、情報の波に乗りたいとは特に思いませんでした。(加藤さん)

- MONEY EPISODE BANK
田和晃一郎 - ●ロマンティックですね。ただ、他人のお札に対する気持ちを、人はどこまで興味を持つのかが疑問です。(嶋さん) ●熱狂の香りがする点は好きですが、この企画がうまくいくシーンが想像できず、不安な気持ちになりました。(加藤さん) ●環境を限定しないと、リスクが高いと感じます。たとえば、初任給やお年玉に絞るなら十分に成立するでしょうが、このままでは机上の空論です。(岸さん) ●お金=メディアという着眼点はいいですが、人が動かす仕立てができていませんでしたね。(内山さん)

- 49days
上69 - ●企画を企画してしまっています。直感的に使いたいと感じられなかった点が残念。(嶋さん) ●着眼点は面白いと思いますが、好きにはなれませんでした。誰かの死後は残った人が主役なのだから、データを遺族に渡す企画などのほうがいいかもしれません。(岸さん) ●「死」に目を付けたところは買いますが、表現が中途半端に感じられました。(内山さん) ●1次審査では推しましたが、最終プレゼンは少し残念でした。もう少し丁寧に死を扱ったほうがよいのでは。(加藤さん)


- 「おえかきえほん」は、プレゼンの完成度は一番でしたが、企画の斬新さ、新しさが少し足りませんでした。「おきてがみんぐ。」は内容をもう少し詰められていたら、もっとよくなったはず。惜しいなという感じ。「この人が実際にここにいたという気配」が伝わる置き手紙の良さをもっと出してくれたらよかったですね。「乾杯列島日本!」は、実はつっこみどころも多いのですが、乾杯の機能と目的と文脈をきちんと軸において、ぶれずにプレゼンできたことが最後の勝利につながったのだと思います。おめでとうございます。


- 私は「おきてがみんぐ。」を推しました。自分なら、これはいくらでも面白く使えるという自信があってアイデアをいろいろとプレゼンしたのですが、それは加藤さんの企画だとほかの審査員の方に言われまして、「乾杯列島日本!」に最優秀賞を譲ることとなりました。とはいえ、「乾杯列島日本!」ももちろん良い企画だと思います。このアプリを必要としている人が世の中にはいると思います。今回、はじめて審査員というものを経験させて頂いたのですが、リラックスして楽しくできました。ありがとうございました。


- 「おきてがみんぐ。」と「乾杯列島日本!」は僅差の争いだったと思います。ただ、「おきてがみんぐ。」はプラットフォームのアイデアでもしかしたら満足してしまったせいか、ユーザーが利用する瞬間のきめ細かな気持ちをとらえた提案までなされていなかったのが惜しかったと思います。一方「乾杯列島日本!」の使う場所を限定して企画したことでその点が少しだけ上回った感がありました。全体的な総評としては、今回は「これはヤバイ。こんな企画を出せる奴は後に脅威になるかも。」と思わず焦るような企画は正直ありませんでした。次回は、私たちをもっとドキドキさせるアイデアがあるとうれしいですね。楽しみにしています。


- 「おきてがみんぐ。」のプレゼンはプラットフォームを提示し、ある意味いろいろ出来ますというプレゼンでした。自分はどちらかというと、シチュエーションを設定して人の気持ちをいかにとらえるかというプレゼンスタイルなので、彼らの企画は自分のスタイルとは違うのですが、私の想像力をかきたててくれるものでした。 ただ、今回は「企画書とプレゼンで審査する」というルールでしたので、私の想像力は残念ながら評価に入らず、「乾杯列島日本!」に軍配があがることになりました。最終的に、プレゼンの差が80万円の差につながりましたね。





