1-click Award

審査員インタビュー

内山光司
1.最近気になっているWEBのキャンペーンやサイト、サービスを教えてください。

キャンペーンとかサイトでは正直に今、気になっているものはあまりないです。UNIQLO CALENDAR とか、ステキだと思いますけどね。それよりはtwitterのようなサービスがどれだけ広がっていくのか、今後どのような使い方が開発されていくのかと いったことに興味があります。
コンテンツでいえば、Webじゃないのですが、「ラブプラス」ですね。僕らはWeb広告でユーザーの時間を取り合う ことをやっているわけですが、「ラブプラス」は、その時間を根こそぎ持っていってしまう。もちろん特定のユーザーに限るわけですが、その没入感やコミュニケーションの深さなど、ゲームならではのものがありますよね。そこはまだ、広告が行きたくても行きつけないところ。このゲームタイトルのように、ユーザーに没入感を与えられる仕事ができるといいなあと思っています。

────ちなみに、「ラブプラス」はプレイされているのですか?

帰って来れなくなるとマズいんで、自分では手を出さないようにしています(笑)。どちらにしても売り切れですしね。僕の周りもみんなやりたがってますけど、なかなか手に入らないみたいです。

────なぜあんなに、多くの方がハマるのでしょうね?

いやあ、どうなんでしょうね。いつの時代にも、いつの世代にも、おとぎばなしを欲しがる人がいっぱいいるということじゃないでしょうか。たとえば、『島耕作』は大人のおとぎばなしですよね。いろんな世代におとぎばなしが必要だということだと思います。

────twitterに関しては、ご自身も書かれていらっしゃいますね。しかも、英語で。

あまり書いてないですけどね。英語で書くのは、facebookにそのままポストされるようにしている関係上、そういう風にしています。海外の知り合いとのネットワークもありますので。

────twitterを使われていて、面白いと思ったところはどこですか?

twitter 自体は2〜3年前から知っていたんですけど、最近急に、この業界を中心に広がったような気がしていて、その理由が何なのか気になります。まだ答えは見つかってないです。なんとなくMIXIなどにいた人達が、facebookやtwitterに来ている感じはあります。facebookもtwitter化していますね。僕はあまり自分で書かないほうなので、何で皆こんなに自己表現したいのかな、世間に言いたいことがそんなにあるのかな、と思ってしまうので すが、でも言いたいんですよね、みなさん。

────そういうメディアは、実体験されずに使われることもあるのですか?

いや、実体験しないのは危険なので、それはやります。あとは詳しい人に聞きますね。


2.広告を作るときに気をつけていることを教えてください。

テレビCMや新聞広告とWebでは、気を配ることは違うと思うのですが、広告である以上、すべからく機能と性能の両方があると思います。機能というのは、商品情報をきちんと伝えるということ。性能というのは、いかに人を感動させられるか。人の気持ちが動くかどうか。これは、1-click Awardのテーマでもあると思うのですが、買いたくなったとか、商品名を覚えたとか、Webで調べてみたとか、何かしら心が動かないといけないと思うんですよね。それは、情報を伝えるということだけではなかなか難しい。その機能と性能のバランスをどういう風に設計するかをすごく考えますね。

────それはプロモーションするものによると思うのですが、商品力が強ければ、機能の割合が大きくなるのでしょうか。

そうとも限らないですね。製品よりも、ゴールによります。売上げを達成しなくてはいけないのか、ブランドイメージをあげることを考えればよいのか、広告の役割によって違うと思います。それから、機能と性能の配分というのはパーセンテージで量れるものではなくて、いつも両方きちんと考えることが大切です。広告はすごく面白くて笑えたけど、商品は何だっけ?ということではよくないですし、その逆もダメ。そのおとしどころが何かを常に考えながら、広告を作るということでしょうね。
CMでも雑誌広告でも、そこに載っている情報の100%を人がすくい取ってくれるわけはなくて、せいぜいキャッチコピーや特徴を1つ覚えてもらえれば正解です。言い換えれば、それを何にするかを考えるということを考えるということですね。

────人を感動させるには、まず自分も感動しなくてはいけないのではないかと思うのですが、内山さんご自身は感動屋さんですか?

意外と僕は冷徹な人間だと思いますよ。もともと人を感動させることには小さい頃から興味がありますし、最近はずいぶん涙もろくなりましたけどね。
ただ、自分が感動できないと人を感動させられないとは僕は思わなくて、冷酷な人でもラブストーリーは書けます。そこにはストーリーを構築するテクニック、人を感動させるテクニックがあると思います。感性は大切ですけど、自分の感性だけに頼るのはむしろ危険で、きちんと考えることもしなくてはいけません。自分の感性を、理屈で補う、検証する自分を常に一方に置いて、冷静に仕掛けを作っていくことが大切ですね。

────そういうテクニックを磨くために、何かされていることはありますか?

観察力を磨くことじゃないですか。もちろん、勉強して得られることはあります。人を泣かそうと思ったらまず笑わせろみたいな、そういうギャップのセオリーみ たいなものもありますね。ただ、僕はたとえば映画を観る時、ユーザーとして楽しむと同時に、作っている人がどういう計算をしているのかなという眼でも観ています。(そういう意味では、純粋に映画を楽しめなかったりもするんですけど。)なぜクライマックスはこういうカット割りになっているんだろう?とか、こういう伏線が張られているのはどんな狙いがあるのだろう?とか。そういうことを考えたりしていますね。あと、周りの観客の方々がどこで反応しているのかも 見ますね。先ほども言ったように、僕は自分の感性をあまり信じていません。僕が面白いと思うところが、万人が面白いと思うかどうかは別の話ですから。だから、お客さんがどこを見るのかは気になりますね。


3. 1-click Awardで「こんな作品が見たい!」 というものは何でしょうか?

今まで見たことがないものを見たい、ということに尽きますね。こんなやり方があったか、こんな発想があったかというのを、荒削りでもいいので見ることができたらいいですね。発想のフレッシュさは、僕らも刺激になりますし、参考にもなる。そういうものがあれば、審査員をやらせていただいた価値があると思います。


4.では、最後に応募者へのメッセージをお願いします。

本当に楽しみにしているので、驚かせてください。お願いします。