審査員インタビュー

川村真司

締切直前にアイデアを出すいい方法があれば、ぜひ教えてください。

当たり前ですが、考え続けるのを止めないことです。自分の場合、そうすればいつも大概何かを思いつきます。アイデアが出てこないのは、まだ考え足りていないだけ。クリエイティブに携わる人間は、ギリギリまで粘って、ベストなアイデアを出せないといけないと思います。

企画書を書くときのアドバイスを教えてください。

ワンセンテンスで内容が伝わることが大切です。海外で働いていたときは、A5用紙1枚に1案ずつ描いて提案していました。それで伝わらなければアウト。1行の文章があったとしたら、ラフスケッチが2つくらいポンポンとあって、それで終わり。もちろんもっと壮大なビジョンまで想像して考えるのですが、大きな企画ほど、1行で伝わるシンプルさがあるかどうかが重要だと思います。僕は言葉に頼るコミュニケーションがあまり好きではないんです。なぜなら、言葉の機微で成否が決まってしまうようなコミュニケーションはアイデアの強度が足りない気がしてしまうのです。それよりは絵一つで判るようなシンプルさが好き。だからまずはひとことで言いきれるかどうかをアイデアの善し悪しの基準のひとつにしています。

作品を提出する前に、チェックするポイントがあれば教えてください。

個人的には、コンペのときの企画書やプレゼンで使うボードの見栄えなんて、どうでもいいと思っています。下手でも面白いアイデアがあればいい。勝負を決めるのはアイデアです。だから、説明は落書きのようなものだっていいんです。締切直前に思いついて描いた落書きでも、送ったほうがいいと思います。見せ方にこだわるよりも、アイデアを考えることに時間を使ってください。これが実際の仕事だったら、ある見え方や伝わり方も計算しないと駄目だとは思いますが。ワンクリックアワードはアイデアを競うコンペなので、ぜひアイデアで勝負してもらいたいと思います。

締切直前の時間捻出方法があれば、教えてください。

「アイデアを考える時間をつくらないと」と考えてしまう人には、じゃあクリエイティブな仕事をしなければいいと言ってあげたいです。本当に何かを作りたいと思っている人は、そんなこと意識しないでも自分から考える時間をみつけるものです。だから自分でワンクリックアワードに出すと決めたのであれば、最後まで粘ってやりきらないとこの先続かないと思います。僕自身、広告代理店で働いていた頃は、仕事と並行して個人プロジェクトをずっと続けてきました。深夜0時に家に帰ってきて、朝4時まで自分のプロジェクトの作業を行い、9時には会社に出社していました。それで楽しいのかと聞かれると、自分のやっていた活動が本当に好きだったし、広告以外の場所でも、自分のクリエイティブを発揮したいと考えていたから当然のことだったんですね。チャンスは自分でつくらないと、いつまでもやって来ません。やらない人はそれまでだと思いますので、ぜひギリギリまで頑張って欲しいです。

その1 枠組みや手法を改めて考え直したものに、魅力がある。